イチオシのzine vol.1


LOCKET N°2

EDIT BY BODY著 1,080円

 24歳の若者によるインディペンデント・トラベルマガジン。2015年3月に刊行された創刊号では、「しあわせのありか」を求めてブータン・デンマーク・小値賀島を訪れ、山伏の坂本大三郎や写真家の角田明子、『せとうち暮らし』編集長の言葉に耳を傾けた。

 

 待望の第2号ではバックパッキング、名づけて「徒歩旅行」を特集。日本アルプスを空から海へと歩き、屋久島の濃い森を彷徨する。アメリカのロングトレイルをスケッチ片手にハイキングし、北欧ラップランドの原野からは大切なことを教えられる。徒歩旅行実践者のインタビューでは、『PAPERSKY』編集長のルーカスB.B.、地球を歩いて木を植えるアースウォーカーが歩くことについて語る。ほかにも、歩かずに旅をするぬいぐるみ専門旅行会社や禅ウォーキングのレポートを掲載。そして、創刊号で探検家・ノンフィクション作家の角幡唯介に迫った巻末のロングインタビュー企画「NATURAL BORN STRANGER」、第2回は冒険家の永瀬忠志が登場。第10回植村直巳冒険賞受賞者が、地球47,000kmをリヤカーを引いて歩くことで獲得した言葉とは。

 

 ぼくらの身体を賭して、ぼくらにとっての真実を、ぼくらの言葉で描きだす。新たな旅は、このページをめくることからはじまる。

http://locketmag.com



ホクリクマンダラ

7's Library なな編集 800

福井・石川・富山をテーマにした文章メインの創作アンソロジー「北陸アンソロジー」。短編小説を中心に、短歌・紀行文・エッセイなどを掲載。27人の作家の、北陸への思いが詰まった作品集です。

¥800/ B6/278ページ/カバー、手製のマップ・栞付き

 

■試し読み■(創作文芸見本誌会場 HappyReading)

http://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=3902089754&bookid=900

 

■感想まとめ■(togetter)

http://togetter.com/li/988926

 



遠くで猫は苛々している

下町飲酒会駄文支部 日野裕太郎 著 400円

帰宅した女子高生さえは、母の不義を目撃してしまう。

衝動的に家に背を向け、深夜バスで一路見知らぬ土地へ。

見知らぬ道、見知らぬ土地、見知らぬひとびととすれ違う。

疲れ、足は止まるが、道はどこまでも続いている。

 

すべてを振り切るような夜のなか、目を背けていたものと向き合うか、さえはやがて決断のときを迎えることになる。

 

88ページ/文庫サイズ/400円



「季刊ヘキ」vol.4

季刊ヘキ 比恋乃 編集 1,200円

 

ついつい書いてしまうシチュエーション、頻繁に登場させてしまう性格・設定の登場人物や関係性、または舞台など。それら作者の性ヘキ(性質の偏り、くせ)を集めたアンソロジー企画「季刊ヘキ」のvol.4になります。吸血鬼アンソロジーとして始動した季刊誌、4冊目にして最終号。vol.1~3までの作品へのイメージイラストを寄稿していただいた「別冊ヘキ」との合冊になります。

 

タイトルと作者一覧

「いつか騎士様が」夜崎梨人

全寮制の学園内の自室に、母親である学園長によって軟禁されている朽井春日。母親からもらった唯一の贈り物は、折りたたまれて縛られ小さくなった足にぴたりとはまる特注のローファーのみだった。いつか教室へ行くことを夢見て過ごす日々の中で、同じく春日の母親に縛られている吸血鬼ユリアと出会う。

 

「吸血鬼の住んでいた町」比恋乃

町の観光名所に住む吸血鬼ハロルドのもとへ、彼の昔の恋人を母親に持つ吸血鬼の娘ユナが家出してやってくる。ハロルドが父親だったならよかったと言うユナに、彼の従者たる少年は「僕に流れる血はすべてハロルドのもの」だと告げた。ユナは少年の血を吸うことによって擬似的にハロルドの娘になろうとする。

 

「それではまた今度、」井村もづ

男子高校生の幽霊が住みついたのは、夜な夜な喘ぎ声が響く公衆トイレだった。

 

占星術による作者の性癖解説 水煮

 

同性、異性、少年少女からおじさんまで様々な人達が四季折々吸ったり吸われたりしています。吸血箇所も、王道の首筋から耳たぶ鎖骨くるぶし内もも……いろいろ取りそろえております。続き物ではありませんので、ぜひvol.4からでもご賞味ください。

 

本文サンプル http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=56183953

vol.4 A5サイズ/二段組み/62p 本文用紙はコミック紙ラフという厚みがありながらもかるく、少しざらついた手触りのものを採用しています。触ってみてください。

合冊『別冊ヘキ』 A5サイズ/フルカラー/16p イラスト集

 



花街ダイニング

博物館リュボーフィ まるた曜子著 800円

「いっぱい得にしてあげるね!」

「だから根拠がな……まあいいか」

 

紡績工場の女工に出稼ぎに出たはずが、隣国の《石の子供》研究機関に密輸出されそうになった8歳から15歳の10人の少女たち。

偶然、通りすがりの退役軍人《ササヅキ》に助け出されたものの、家に帰ることもままならず、ササヅキについていくことに。

 

見たことも無い都会に着いた彼らに課されたのは『就職活動』!

「年季明けで退職金もそこそこ出たが、あいにく全員養えるほど俺の懐がでかくない。稼げる口を探せ。本申込では身請人になってやる。技術はお前の価値を上げる。習いたい者には貸し付ける、励め」

 

初めての「勉強」、いままでの家事とは雲泥の丁寧な下働き、せわしない都会の暮らし。

みなと一緒に新生活に踏み出した最年少の《セリ》は、ササヅキが食堂を開くと聞いて手伝いに手を挙げたが。

 

動かないおっさん×動き回る少女が繰り広げる、

剣と魔法はしょぼしょぼの、貧乏くさいなんてことないファンタジー!

 

彼らの『ifその後』と設定集がセットになったR18小冊子付きバージョンもありますので「ちょっとえっちぃ」が平気な方はぜひそちらを!セリかわいいよ!



白黒川柳 vol.2

カシパンドローム 小出マワル。著 200円

 2015年の夏から2016年の春にかけて、大阪のいくつかの街で撮った、路上スナップ写真の1枚に、川柳を1句ずつ詠んだZineの第二弾になります。(モノクロ:A5版:28ページ:200円)

 

 私は2008年から写真を撮り始め、動物や花を撮っていた時期もありましたが、常にささやかな写真を撮りたいと思っていました。

 2014年ごろから、路上スナップというジャンルの写真を、FUJIFILMのX100というコンパクトデジタルカメラで撮り始めて、撮れた写真の枚数がそれなりの数になり、それらを編集して誰かに見てもらえる形にしたいと思い、白黒川柳は生まれました。

 

 このZineの写真は、見た目に美麗ではないかもしれません。そういった写真は、普段私の目に映る世界の中にある、異質なモノ、本質的なモノを探してゆく結果、撮れた写真です。

 

 私が見たいと思っている世界は、まだまだぼんやりしたものです。ですが、それではZineを手に取ってもらいづらいでしょう。そこで写真だけでは分かりづらい部分に、補助線を引くように川柳を詠んだつもりです。

 

 前作の白黒川柳①より、写真も川柳も、ほんの少しだけ良くなっていると思います。

 Zineの読後感も、前作より浮揚する感じで終われたかなと思っています。

 

 身構えるような難解な写真はありませんし、川柳もこったものでもありません。

 どうぞ気楽に、深く考えることなくページをめくっていただいて、1枚の断片である写真と、断片としての川柳1句からなる、1冊を通して読んでいただき、何か感じ取っていただけるものがあったら、とてもうれしいです。

 

試し読みができるブログはこちら。

http://mawaruk.hatenablog.jp/entry/2016/09/12/172203

 



アール・ブレイド ~メルビアンの老騎士と姫君~

K.R.P 秋原かざや著 700円

凄腕傭兵兼運び屋のアールの元に、一通のメールが届く。

頼まれたのは、あるデータチップの運送。

……だけでなく、車椅子の少女も同乗させることになってしまった。

しかも追っ手が次々と、アール達を狙って迫ってくる!?

ハイスピードアクション! ロボット対ロボットの白熱バトル!!

彼らの行く先にあるのは、改変を求める未来か、それとも……。

 

ハリウッド映画のようなSF小説を目指して描いた作品で、これ1冊でまとまっているお話となります。

イラストもキャラクターおよびメカ紹介も全身図で入っています!!

また、今回だけの期間限定割引価格となっていますので、良ければお買い求めいただけると幸いです。

以上、北国から参戦の秋原かざやでした。

 

オンデマンド印刷/文庫サイズ/224ページ/700円 しおり付き



まなこ閉じれば光

酒田青枝著 500円

 恋人の部屋の玄関に飾ってある深い青の薔薇を見て、様々な想像を膨らませたあげく、怒りを覚える主人公。果たしてその真実は? ――「青い薔薇」

 好きな人にもらった青いハンカチ。そこからその人そっくりのきのこが生えた。――「マッシュルーム・ガール」

 肉食動物の村に住む黒猫の子供クロは、美しい仔兎を手に入れた。しかしそのせいで村の規律が乱れてしまうと年上の仲間に責められる。――「クロとミミ」

 人類が衰退した未来の世界の人々は、自分たちの夢を繋げてお互いの存在を残そうとしていた。――「円環の夢」

 僕と君とマルの三人で暮らした、夕暮れだけの町、夜だけの町、朝だけの町での美しい日々の思い出。君とマルの切ない関係。――「僕と君とマルと」

 夜中に突然思いついて書いた、短い作品ばかりたくさん集めました。幻想的世界で暮らす人々から、現実で幻想と出くわす人、現実で狂気に出くわす人、様々な主人公が語ります。楽しい話ばかりではないけれど、ちょっとした不思議を味わっていただけます。

 



猫筆屋 伍

 ばるけん 猫春編集 450円

創作小説ユニット猫筆屋第五弾!

『一人の作家が三題噺と自由題の読切短編小説を2編執筆する』小説ユニット「猫筆屋」。

三題噺は「山笑う」「扉」「窓」で4名の作家で挑みます!

 

2006年に創刊号を発行してから5冊目、8年目の今回が最後の猫筆屋発行本になります。

過去の本は全て完売済みで毎回公募で執筆者募集、お題選定して進めてきましたが、同じお題を全員が書くことで、本当にバラエティに富んだ本を毎回発行してきました。

 

全体のトータルイメージは「少し不思議」で、また読み応えのある作品が集まっています。

是非この機会に手にとっていただければと思います!

 

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タイトルと執筆者(敬称略)

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<三題噺>「山笑う」「扉」「窓」

 山の神/華猫

 東風解凍/並木和也

 冬の王/猫春

 私のやわらかい檻/日野裕太郎

 

<自由題>

 ウィンターの恋人/華猫

 禾乃登/並木和也

 ボグ/猫春

 ブランコ/日野裕太郎

 

 表紙絵/夜香山ゆうこ

 装丁/猫春

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試し読みはこちらから!

猫筆屋伍 :: 創作文芸見本誌会場 HappyReading 

http://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=11038872&bookid=645 



卵怪談

海崎たま著 300円

「第一夜」

貧しさ故に兄に売られた妹は、売られたその日に見た夢の中で、大きな白い鶏と接吻をして一つの卵を産んだ。

娼館での日々を過ごしながら、去る兄から託された卵を両手で包み、見つめ、胸に抱き、薄暗い昼下がりに孤独を募らせる彼女。

時が経てば彼女はもはや愛せぬものだってその胸に抱くことができるし、憎んで愛した男を忘れることだってできる。

 

「第二夜」

――孵らなかった卵の中には、生まれなかった僕の妹が入っている。

孵らぬ卵を今は亡き孫と信じる狂った祖父と、山奥の一軒家で暮らす「僕」。

まるで本当の孫を可愛がるように、卵に大切にかしずく祖父に対して、「僕」は次第に嫌悪感を募らせていく……。

 

全二編の怪談短編集です。家族って何だろう?血縁とは何だろう?というようなことをずっと考えていた時期に書きました。

ただの他人の集合を共同体たらしめているものは?という疑問に至ったときに、「家族という幻想とその崩壊」を書きたいと考え、その崩壊のキーに「卵」を選んで書いた話です。

自分なりのテーマを色々と詰めた作品ではありますが、怪談なのであんまり難しくなく、読みながら「卵の中身」にぞくっとしていただければ幸いです。

自分ではなかなか気に入っている二作です。

 

(※「第一夜」は、2015.10.発行『Text-Revolution2 公式アンソロジー 再会』に寄稿した「卵」の改題再録、「第二夜」は書き下ろしです)

文庫/56p/300円/オンデマンド印刷

試し読み:http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=6486185

 



かぼちゃの姫君

五十嵐彪太著 2,000円

 はじめまして、五十嵐彪太です。500文字以内の短い物語と、それを手製の豆本にする活動を主としています。執筆歴は14年、豆本制作は10年になります。

 

 豆本は、糸でかがった上製本、和綴じ本、蛇腹に折った折り本など、さまざまなタイプを作りますが、特に「本かがり綴じ」を用いた上製本を得意としています。

 

 近年は、和紙を使った作品作りにも力を入れています。色を染めたり、墨流しをしたり、金箔や銀箔を蒔くなどの装飾も自分で行っています。和紙工芸の伝統を垣間見ていただけると幸いです。

 

 私の豆本は繊細ながらも丈夫に作ってありますので、 恐る恐るでなく、大きく開いていただいて大丈夫です。糸かがり上製本は180度開くことができます。

 

 読みやすさは大きな本にはかないませんが、小さいなりにフォントや行間などに配慮し、できるだけ読みやすいよう工夫しています。手のひらから小さな世界に入り込む読書体験を味わっていただければ作者冥利に尽きます。

 

最新作『かぼちゃの姫君』

絵:へいじ 文:五十嵐彪太

サイズ 縦65×横64×厚6(mm)15g

製法 糸かがり(リンクステッチ)

ページ数 16ページ

 

 へいじさん(イラスト)との共作による全編カラーイラスト付きの絵本です。

 へいじさんのイラストを見た私が文章を付け、それを読んだへいじさんがイラストを描き……と、事前相談なし、行き当たりばったり な連作で出来上がりました。(豆本では文章が先の配置になっています)

 冬を探しに冒険に出たかぼちゃの姫君……小さなガールミーツボーイな物語です。

 表紙用にへいじさんが描き下ろしたイラストは一枚絵になっています。ぜひ開いた状態で表紙側からもご覧ください。

 

ブログで読む(終わりの作品から、降順になっています)

http://hyo-tanstory.blogspot.jp/search/label/53.%E3%81%B8%E3%81%84%E3%81%98%E3%81%AE%E7%B5%B5



ELEKTRAS TOD

hydra / blue キリチヒロ著 600円

たくさんあるギリシャ悲劇のひとつ、「エレクトラ」

母親とその愛人に父親を殺されてしまった王女エレクトラがいつか絶対こいつらに復讐してやると心に決めて幾数年。成長したエレクトラは家に閉じ込められ、妹からはもう復讐なんか諦めなさいよと諭される。だけど彼女は諦めない。復讐こそが彼女の生きる意味だから。国外に逃がした弟がいつかきっと帰ってきて、絶対に彼らを殺してくれる。弟がもう死んでしまっているなら、わたし一人だってやってみせる。

ホフマンスタールという人が自分なりに演劇にして、シュトラウスという人がそれにほれ込んでオペラにした。

 

オーストリア、ウィーンから電車で2時間の静かな街グラーツ。

観光客だらけのウィーンとは違い、地元の人がのんびり昼間からお酒を飲んでケーキを食べてだべっている。だけどこの街で観られるお芝居やオペラは攻めている。演出が、突っ走っている。原作の世界観を尊重? してる暇はありません、そういうことは。王道の演出を観たいならウィーンに行ってください。うちはうちで、やるんです! ウィーンには負けてられないんです! ほっといてください!

 

そして、大学3年生のちゃらんぽらん学生わたし。

オーストリアに留学したくせに、ドイツ語の授業なんてどうせ聞いたってわからんわと開き直り、そんなことよりコーヒー飲もうケーキ食べよう芝居を観ようオペラを観ようと連日適当な格好で当日券を買いにやってくるせいでカウンターのおじさんがわたしの顔を覚えてしまった。今日も劇場の月間スケジュール表を見ては、次はこれかなと目星をつける。なんでもいいから学校に行け。

 

このみっつが、出会ってしまった。

エレクトラという作品の奥には何が隠されているのか? わたしは何を読み取ったのか?  あの演出は一体何だったのか? そもそも、演出の前衛か王道かってどうやって決めるの? 演出って、一体なに?

そしてわたしは帰国する。三つ巴の卒業論文戦争が幕を開ける。

 

「エレクトラの「死」 ―2012グラーツ『エレクトラ』の演出について―」

平成25年度 神戸大学国際文化学部 優秀卒業論文賞

詳しく→http://manasseh.blog34.fc2.com/blog-entry-266.html



notes sans musique (オトノないがくふ)

ペーパーカンパニー 正岡紗季著 500円

 会社内のシンプルな恋物語です。女性向きだと思います。男性にとっては共感を得るのが難しいでしょう。また、不倫にトラウマをお持ちの方へはお勧めしません。

 

 ひとりでいることを選び、持て余し、さびしさをパートナーにしているようで犯され冒され侵されている。雨とともに過ごした梅雨明けに、涙も乾いたかに見える、かと思いきや干ばつに苦しむような傷。口に含んで噛み潰したいちごの甘美な赤い飛沫は、乾きを潤すどころか傷口から繁吹いた血のしたたりなのでした。

 主人公の繭子は男性の気持ちをわかっていない。時に無自覚、時にあざとく甘えたり甘やかしているうちに、面倒を見てくれる上司とひと時の共依存関係になり一線を越える。もとより相手の家庭を壊したくないゆえに何事もなかったかのように過ごすのだが、繭子にとってはうまく終われなかった 、うまく忘れ損なった恋だった。

 その後誰とどんなに想いあっても、一人引きずりながら、赦されたいと、心は罪の上塗りを続けていく。

 今目の前の審判に自由を預け全てを放棄することで弱い心を壊さずに生きながらえる処世術は、成長しないこととイコール。繭は茹でられ紡がれることでしか活きられない。柔らかく頼りないシェルターに身を隠し、毒親を恨みつつ死刑執行を待つ女性の救いのない話です。

 装幀は商業誌のデザイナー(で同人誌デザインも受け始めた)NAKAI様に本文共々お願いしました。

 音楽の話ではありませんが、邦題に合わせて休符だけの楽譜に心のざわめきを表し、モチーフであるいちごのショートケーキから、フワフワした羊皮紙を表紙に、本文にはモンテシオンを選びました。PP加工すると質感を損なうため、インク汚れ対策にはニス引きしてあります。遊び紙はビオトープベリーレッド、楽器ケースの中の赤いビロードのイメージです。

 楽譜の作成もNAKAI様によるもの。長調で最も陰鬱・悲痛な変ニ長調、不安定な気持ちから四分の五拍子、休符ですが音符のように高低とリズムでふたりの心の動きを表していただいてます。



泣草図譜 やまばと編

卯楽々堂 うさうらら編 300円

晩夏から晩秋まで、しみじみとしたこの時期の風と光と匂いを一冊に閉じ込めたい。現代の日本の花鳥風月を現代版の草紙スタイルで作りたい。

――そんな気持ちを目いっぱい詰め込んで手作りした、和紙&和綴じの手製本です。和紙の手触りや渋くやわらかな色調をお楽しみください。

この作品は小説ともイラストとも漫画とも詩とも呼べないジャンルの境界にあり、絵と文字がどちらも添えモノではない構成を目指して作られています。ぜひ一度手に取って、それをお確かめいただきたいと思います。

 

☆仕様

 A6の横型/本文42p/カラー/完全手製  

 特製の封筒にやまばとのしおりと一緒に入っています

 

☆内容

少女そらが、10歳だった「あのころ」をふり返りながら叔父・祐介との関係を語ります。とくべつなことは起きません。「とくべつなことの後」を描いた日常の物語です。

お話の途中途中には、祐介の視点による短歌が挟み込まれます。これらは9種類の花に9種類の単語(ランダム抽出お題)をかけあわせ、祐介の心情を詠んだ二次創作的なものです。

 

 お題

 えのころぐさ × 励

 葉鶏頭 × のうち

 紫陽花 × 境目

 芒 × 従

 吾亦紅 × 炎

 秋桜 × あばれ

 烏瓜 × 少な

 鬼灯 × ランプ

 葦 × っている

 

☆作品の生まれた背景(補足)

このストーリーは単独で読めますが、以下の通り短編小説&コミック「海柘榴」からの派生作品でもあります。

 

「海柘榴」(ホクリクマンダラ掲載の短編小説&コミック)→「GRENADE・柘榴残照」(ウェブコミック http://tales-of-start-line.jimdo.com/)→「泣草図譜やまばと編」

 

Zine展@別府では『ホクリクマンダラ』も、7's Library様から出展されます!よろしければそちらもどうぞ。

 

☆著者創作活動について

うさうららは単独で絵と文の創作をする傍ら、「花うさぎ」というコラボ形式の活動も行います。短編「海柘榴」はこの形式により、小説を磯崎愛がコミック部分をうさうららが担当しました。特有の香気を放つ磯崎愛の文章とうさうららによるコミックのコラボレーションはこの作品のほかにもあり、ウェブ検索でご覧いただけます。これを機会に「コラボ・花うさぎ」にも関心をお持ちいただけると大変嬉しく存じます。



桜月集

虚影庵 島田詩子著 500円

[オフセット印刷/A5判/100頁/500円]

2006年~2009年に発表したシリアス作品11本を、加筆修正を加えた上で収録した短編・掌編小説集。

翻訳作品めいたファンタジー「月を紡ぐ」、犯罪綺譚「薔薇の憂鬱」、現代物「白い羽根の降る朝に」、幻想譚「鎮守櫻」など、収録作のジャンルは多彩です。

また、一部作品に不快感を催す描写を含みます。

各作品の冒頭を「創作文芸見本誌会場 HappyReading」さま(http://books.doncha.net/happy-reading/detail.pl?uid=59780900&bookid=20)で公開しています。

 

虚影庵は、純文学系からアホネタまでジャンル不問に作品を描き散らかすフリーダムさを特長とする個人小説レーベルです。

今回のzine展 in Beppu3ではじめて虚影庵作品に触れていただく方のために、『ちょっと詰め』という掌編集をご用意しておりますが、とっつきやすくするためにあえて毒気の強い作品ははずしてあります。

また、硬軟の振幅っぷりをご覧いただくには同人活動20周年記念自選作品集『20th』が向いているのですが、いきなり未知のレーベルの分厚い本にお札を投じるのはハードルが高いかと思います。

少しお値段は高くなりますが、虚影庵作品のテイストをある程度踏み込んで味わってみたい方には、この『桜月集』をおすすめいたします。



赤ちゃんのいないお腹からは夏の匂いがする

おとそ大学パブリッシング にゃんしー著 500円

ふいに音楽が聞こえて、故郷のことを書きたいと思った。

 

その音楽は郷愁のようなもので、感覚でいえば「夏の匂い」が近い。

夏の匂いが聞こえる、という感覚。

 

郷愁というのは呪いのようなもので、何処にいても、何をしていても、聞こえることがある。

あんなに嫌いだった故郷に戻らなければならないと思うことがある。

子どもを作らなければならないと思うことがある。

 

夏というのは何かを狂わせる季節で、海というのは思わせぶりな場所だ。

一過性のはずのそれを、あの村の少年や少女たちは内包していた。

そんな多分に病んだ人々のことを書きたかった。

 

物語に出てくる村「夏水(なつみ)」はもちろん空想の場所ではあるけど、

読者のなかにはその場所を「発見」してしまうひとがいるかもしれない。

だとしたら嬉しい。

その狂ったノスタルジーを大切に持ち続けてほしいです。

 

一、夏水の少年はババアで童貞を捨てる

二、カミサマは子どもを作ってはいけない

三、気持ちいいことは全てタモリが教えてくれた

四、カミサマの子宮は命で満たされる

五、エデンでは子作りができない

六、夏水の生理は命より重い

七、生まれてくる子どもはカミサマの血に塗れている

 

命の形を問う純文学。

群像新人文学賞一次通過作。



掌編小説集「素直になれなくて」

言葉の工房 添嶋譲著 500円

はてなブログで定期的に開催されている「短編小説の集い」に投稿した作品を一冊にまとめたもの。SF風味な話から、学生時代に自分は経験しなかったけれどありそうだよねという話、いまの自分にも起きそうな話まで、全部で9篇収録しています。

 

目次と内容

・「ライカ・ケイム・バック」

 お題は「猫」。猫なのに名前がライカです。飼い主と宇宙が大好きなライカ。気がつくと宇宙に送りこまれていました……。

 

・「素直になれなくて」(初出時「Hard to say I'm soory」より改題)

 お題は「未来」。中学の担任の送別会を兼ねた同窓会に参加して、久しぶりに幼なじみと話をする。二人は秘めた過去と思いに決着をつけられるのだろうか。

 

・「カエルくん」 お題は「緑」。

 いつも緑色の服を着ている、カエルっぽい顔のカエルくん。ある日、とてもかわいい女の子に恋をしてしまいました。

 

・「天気予報」 お題は「雨」。

 この街では天候は人の手で管理されており、一年の予定が組まれているのですが、最近は予定変更が相次いでいるようです。

 

・「逆向き列車」 お題は「旅」。

 仕事とかいろいろ嫌になっている朝、会社の最寄り駅で電車を降りずにどこかに行ってしまおうか迷っている。

 

・「リ・インカーネイション」 お題は「魚」。

 男は、彼女のことをとても大切に思っていたのですが、気がついたら魚に生まれ変わっていました。

 

・「春にして君を」(初出時「願い桜」より改題) お題は「桜の季節」。

 この学校には古くから、毎年一人だけ桜に願いを叶えてもらえる、という伝説がある。

 

・「きみのようになれない」 お題は「祭り」。

 友達に誘われて揃いの甚平で祭りにでかけた。女子に後ろ姿を間違われ。

 

・「甘いチョコよりも、」 書きおろし。

 バレンタインデー、2つだけ、誰からもらったのかわからないチョコがあった。



化狸浪華賑

庭鳥著 600円

人形浄瑠璃が好きです。語られる詞が特に好きです。

物語や和歌が生まれる瞬間、作者の視点にその周辺に興味があります。

大好きな古典作品の舞台がどのような時代、状況で初演されたか。初演者は、初演の舞台の観客はどんな人でどんな反応だったかに関心を持っています。

 

この「化狸浪華賑」と収録の二作品は、そんな筆者・庭鳥の興味関心から生まれました。

収録作の「白い脚」は、曾根崎心中を執筆する近松門左衛門をあつかっています。

原作の曾根崎心中を読み、現代の人形浄瑠璃の上演でカットされる部分にハッとさせられました。その驚いた部分と、近松門左衛門を取り巻く元禄時代の状況など考えて書きました。

 

表題作「化狸浪華賑」は、大坂・道頓堀の芝右衛門狸伝説をモチーフにした作品です。淡路島から来た芝居好きな狸が、人間に化けて道頓堀に芝居見物に行くも正体がばれて殺されてしまう話です。

気の毒な芝右衛門狸の話をハッピーエンドにしたい。それならば芝右衛門狸を生き延びさせ道頓堀で働かせたらどうだろう、芝右衛門狸の目から見た人形浄瑠璃の状況を語らせようと考えました。

人形浄瑠璃の歴史の中で特に面白そうな時代、現代まで続く作品がたくさん生み出された時代はいつかと考え・・・・・・道頓堀に竹本座が残っていた時代、浄瑠璃作者・近松半二が活躍した頃を選びました。

 

収録作の「猫の竹本座」は「化狸浪華賑」の番外編で、同じ時代の猫たちの間でも浄瑠璃が大流行という話です。人間の世界から離れ、猫の世界ということで想像をめぐらせ楽しんで書きました。

 

筆者は関東出身のため、人形浄瑠璃に出てくる関西の地名にはほとんど馴染みがありません。

そのため上演に接して、この地名はここにあるのか!や、ある地名とある地名のつながりを知りハッとすることも度々です。

執筆にあたり、浄瑠璃集や各種資料集、地図や自作の年表を見返す日々でした。

楽しんで読んでくださったら幸いです。



終末ごはんは、君とふたりで。

Right_Blue 月島あやの著 100円

西暦2050年8月26日。今日は花金。そして、世界の終末を迎える日。

 

完璧超人だらけの家に生まれた凡人ニート、天王寺ありすは世界の終末を母の位牌と骨壺と一緒に

自宅でひっそり迎えることを決めた。

あの時、家族がまだ皆家に居た頃の思い出を密かに思い出しながら、どこへ向かうかというと、そこは冷蔵庫の前だった…!

 

戦うオンナノコを全力で描く当サークルがお送りします新作漫画「終末ごはんは、君とふたりで。」は、

魔法も使えないし勉強も出来ない、スポーツ万能でもなければ、取り柄もなく、職歴すらない。

20代を過ぎた主人公、天王寺ありすが世界最後の日に一念発起したお話です。

 

世界の終末に向けて、沢山の人が死んでいき、各々が終末に向けて何かを決意したかもしれないこの世界で、ありすはいつも通りの明るさで、いつも通りに過ごします。

世界の終末を描いた作品は世に沢山あると思いますが、この物語ほど明るいものはなかなかないだろうという自信があります。

 

不思議の国のアリスがワンダーランドを駆けまわるように、天王寺ありすは駆け回ります。

ありすにとっての懐かしい風景は、もしかしたらこの漫画を読んだ方もどこかで目にした風景かもしれません。

 

是非お手に取って感じて頂けたらと思います。そしておいしいごはんには、おいしい理由があることを噛みしめられますようにと願いを込めながら…。

HPには見本誌が掲載予定です。是非ご覧ください。http://nns7511.bufsiz.jp/