イチオシのzine vol.1


「乙女歳時記〜おとめさいじき」

はいからヒストリカル ミナミユウロ著

 表紙は淡いパール調の光沢がある紙を使い中綴じに仕上げております。オンデマンド.B5サイズ.20ページです。

 昭和初期の着物の生活がまだ身近だった頃の乙女たちの四季をアクリルガッシュという絵の具で丁寧にえがいたアナログイラスト集です。

 歳時記とは言っても季節の移り変わりを描いたものでそんなに正確なものではありません。レトロと浪漫と過去への郷愁とセンチメンタリズムがごった煮で過剰に盛り込まれています。

 ページ数以上に見応えのある1冊になっていると思います。秋の夜長に寝る前などに眺めていただける1冊を目指し鋭意制作中です。

 ※書影画像と実物では多少色味が異なります。

 



ピンク色の雲

kieRi 甲斐聖子著

 この本は、いじめをテーマにした本になります。自分自身がいじめを体験した・傍観したという経験を持っているため、そこで感じた事、そして、その感じた事に対して逃げるのではなく、向き合うのは他の誰でもない自分なのだと気づいたことを書いています。

 詩集にしていますので、全部は書き込みませんが、今、いじめにあっている人、過去にいじめにあった人、傍観者でいた人も、この作品を読んで、なにか感じていただけたらいいなと、思っています。

 表紙を担当されているのは、画家で活動されている竹谷嘉人さんです。

 



とぎれない、いつか

とぎれない、いつか 森瀬ユウ著

 死んだクラスメイトから手紙が届いた。

 差出人の名前は風間颯。封筒の消印は一昨日の3月17日、鳥羽となっている。颯は卒業式の11日後、卒業旅行と称して出掛けた旅先で事故に遭って命を落とした。4泊5日の旅行の4日目だった。1日1通、旅先から投函されてくる手紙には、彼の旅行記が綴られていた。 

 

 「旅立ち」をテーマに、5組の男子高校生ふたりを描いた短編作品集。

 彼らは始めから、3年間という定められた期限の中で息をしている。

 

■仕様

『とぎれない、いつか』

小説|A6|172頁|500円

短編作品集|表紙箔押し

 

■目次

 01.幽|02.息継ぎをする魚|03.子どもたちは夢を見ない

 04.霧の部屋|05.エフェメラの春

 

***

 

 高校生が好きです。

 

 分別のつかない子どもではない、けれどもすべてを悟れる大人でもない、そのちぐはぐな年頃。3年間という長いようで短い学校生活。行動範囲が狭いゆえに限られた世界と人間関係。それでいて、卒業を迎えると同時に否応なしに広い世界に飛び出さなければならない、そんな「高校生」という生き物がわたしは大好きです。

 

 彼らには特殊な能力があるわけではありません。毎日のように何か大きな出来事や事件が起こるわけではありません。けれどもそこには彼らの平凡な日常があり、思考があり、感情があり、それぞれに歩いていく道があります。わたしはそこに彼らの物語を見出したい、そんな思いで小説を書き続けています。

 

 今回、一押しの一冊として選んだ『とぎれない、いつか』は、高校生活の中でも特に限られた期間を取り上げ、「旅立ち」をテーマに描いた全5編の短編作品集です。5組の男子高校生ふたりが、それぞれ【過去|新江ノ島水族館|能登半島|高野山|未来】へと旅をしています。彼らは旅先で一体何を目の当たりにし、何を思うのでしょう。

 本の装丁には、虹色の箔押しが施されています。見る角度によって色も輝きかたも変わるのは、彼らの日常とおんなじです。緩やかに上昇していく線路のゆくえ、そして『とぎれない、いつか』という表題が何を意味しているのか。

 

 ぜひとも本をお手に取って、彼らの物語に触れてみてください。きっと、彼らの旅を一緒にお楽しみいただけると思います。

 



bonologue vol.02 Au gout du jour Nouvelle Ere

ペーパーカンパニー発

 レストラン、料理、サービス。好きなものばかりのおもちゃ箱です。

 小説や詩であれば表現したくてつづるのでしょうが、このエッセイでは既に表現されたものから「ねえねえ、これのここを見て!」と、ただそれだけをつむぎました。さてこのおもちゃ箱、はたして宝石箱でしょうかガラクタ入れでしょうか、それともゴミ箱でしょうか。

 

 bonologue。ボノローグと読みます。おいしい(ボン)つぶやき(モノローグ)の意の造語です。煩悩のログ(記録)でもあります。現在二号まで出しています。一作目は大阪のフランス料理店ユニックについてでした。今号は東京は新丸の内ビルに入っていたオーグードュジュールヌーヴェルエールというレストランを題材にしています。一方で個別のお皿に触れながら、他方、食べること、料理すること、サービス、行きたい店が在るありがたみについて書きました。レストランという舞台の案内というよりは鑑賞録です。ましてや批評や舞台論ではありません。

 残念ながら執筆中に閉店し、代官山にて違う名前で再生しています。その場所にその名前で在った店がこうして心に残っています。本にするのも生かし方のひとつだと思い、原稿を反古にすることはしませんでした。

 

 内容は文章と写真です。写真は取り立てて得意でもなくツールも満足に揃っていません。画像はレタッチどころか切り取りすらできません。厳しい。縦書きの文章は縦書きできるテキストエディタで作成し、写真のページはワープロソフトに貼り込みました。カラーページはもれなく横書きです。縦書きが出来ないソフトだからです。

 

 用紙とコストの都合で表裏一枚の紙単位で構成します。部品として文章を書きながら順番が成り立つように章順を決めました。お皿ごとの文章は写真と合わせて見開きになるよう組んでいます。苦戦しつつも充実した作業でした。

 表紙は布の質感を持つ紙を選びました。上製本のニュアンスが好きで色の乗りも自然かつ箔押しの定着がよいです。この二者を両立する紙は多くありません。本文は目にやさしいクリーム色の紙を文章ページに用い、カラーページはとにかく写真がきれいに刷られるものを選びました。地が白い紙なのでクリーム色を敷いてみました。

 

 本作りはまだまだ試行錯誤の連続です。本書は現時点でかなり成功した出来だと思っています。お口に合いますように。




カルミラ族の末裔

mille-feuille 伊藤裕美著

   小説を書き始めたのが25歳の時。遅かった。書き溜めたものを本にしようと思ったのは、目に見えて、手元に残る「形」にしたかったから。紙と本が異常に好きだったから。形にし始めて10年が経った。うまくいかずに何年も頓挫したままのものを、刊行10周年記念として仕上げたいと思って完成させたのが、この本。

   「カルミラ族の末裔」は、レ・ファニュの「吸血鬼カーミラ」を下敷きにしたゴシック・ロマンスで、置かれた環境への疑問や居心地の悪さから、人間を降りてしまいたいと考えたことのある人のための本でもある。

   舞台はヨーロッパで、1899~1901年の女学生(白の手記)と18世紀の貴族(赤の手記)が主役だが、自分と重なるところを見つけてみてほしい。作中では明らかにしていないが、白の手記はイギリス、赤の手記はオーストリアという設定。特に白の手記では、ヴィクトリア朝の文化や風俗、小物を散りばめたので、興味深く感じてもらえたら嬉しい。終章は2017年の設定なので、是非、今年中に読んでいただきたい。

   登場人物の名前についてはあとがきに詳しく書いたが、ひとつ付け加えると、主役の苗字「ザヴィアー」には新しい家という意味があり、もうひとりの主役の「新しい家」となってほしいとの想いを込めた。

   

   美しいものしか作りたくない。本が増えすぎて選別するしかなくなった時に、いつまでも書棚に残しておきたいと思ってもらえるような装幀を心掛けている。小説のイメージと装幀のイメージは同時に出来上がる。イメージ通りの装幀の本を作りたいということが、書いている時にずいぶん励みになる。表紙は赤い紙に赤の箔押し、中も赤の文字と決めていた。表紙写真はロンドンで撮影。裏表紙に遊び心を加えた。中にもあるので要チェック。

   何を見ても、小説のヒントにならないか常に考えている。特に創作意欲を掻き立てられるのは、美術館で琴線に触れるものに出逢った時。

   趣味で作っているつもりはない。常に本気。お金を払って読んでいただいている以上は、世に認められているいないに関わらずプロ意識を持つことが大事だし、「続ける」には黒字が出続けないと難しい。もし「この本、気になるな」と思ったら「あとで」と思わずに「すぐに」購入して、読み始めてほしい。感想も待ってます。




嫌犬

インドの仕立て屋さん 藤和著

 -西暦二〇〇六年地球。

 地球と言っても『ちきゅう』と読んではいけない。地球は『ちたま』と呼ばれる星で、地球(ちきゅう)が浮いている銀河系の双子銀河にある双子星である。-

 

 地球とはちょっと違う世界を舞台にした短編連作、「ふたごぼしのちたま」第一作目。平和な大日本帝國に暮らすとある青年と喋る柴犬のハートフルストーリー。

 

 かつてとある小説大賞に応募するために書いた作品ですが、落選したので自力で本にしました。

 この話を書いているときは、ただ読んでいて面白い物を書きたいという一心だったのですが、それと同時に身の回りで起こった理不尽も、少し混じっています。

 どこを面白いと思うか、理不尽と思うか、それは人それぞれだと思いますが、楽しんでいただけると思います。

 優しい世界があなたにも訪れますよう。




ジェミニとほうき星

午前三時の音楽 高梨來著

伏姫海吏、十七歳。双子の姉に不毛な片思い。

 

 高校生の男の子、海吏の誰よりも大切に思っている女の子は生まれた時からずっとそばに居てくれた双子の姉、祈吏だ。

 誰にも打ち明けないまま胸に抱いたままでいるつもりだった気持ちを知ってくれているのはふたりだけ。短期留学で旅立ったロンドンで出会った初めての恋人マーティンと、高校生になってから出会った初めての親友、春馬。

 「ただ好きでいること」が自身、そして何よりも大切な相手を傷つけるすべになってしまうことを知った彼は、自身の気持ちにどう向き合えばいいのかがわからない。膨らんだ思いはいつしか、軋む音を立てはじめる。

 

* * *

 

「誰かや何かを好きでいること」について悩んでいた時期に書いたお話です。

 誰にも預けられない、自分自身でも向き合うことから逃れ続けていたことを言葉にして、前に進む為に書きました。

「ありがとう、ごめんなさい、大好き、そばにいてほしい」

 ごくごくシンプルなはずの、それゆえに言葉にすることを恐れていた気持ちを預けられる場所を見つけたい一心で、自分にとっていちばん大切なことを書きました。

書き終えたこと、そして何よりも、読んでもらえたことでやっと「誰かや何かを好きでいてもいい、生きていてもいい」と思えるようになりました。

 どれだけ優しさを寄せ合おうとしても愛情は時にどうしようもなく人を傷つけるけれど、傷ついた気持ちをやわらかく包んでくれるのもまた愛情であるということ。

 どんなに傷ついても好きな人と一緒にいたい、優しくしたい、優しくしてくれてありがとうが言いたい。

 言葉にしてしまえばあっけないほどにシンプルで、それゆえにずっと見つけられずにいた何よりも求めてやまない「一番大切なこと」を物語の時間を通して、彼らと共に生きることで教えてもらいました。

 その後のシリーズとして続いている作品でも、彼らと共に見つけた想いはずっと絶えず続いています。

 物語の中の時間を彼らともに生きることを通して、彼らが見つけた答えを共に見守っていただければとてもうれしいです。

 

カバー付文庫│ 284頁 │ 800円




凍てつく世界より

まちかど出版 ぽえまる著

 アンソロジー詩集です。

 現代社会においての人間の暗闇部分をテーマにし、私を含めて4人の参加者たちが自由につづりました。散文詩、現代詩、歌詞で構成されています。

「人間社会のダーク面に注目した詩集って、少ないから、作ると面白いかもね」

 雑談の中で生まれた作品集をお楽しみいただければ、幸いです。

 

 

 本のサイズ:A5

 総ページ数:44ページ(本文:40ページ)

 本の価格:250円

 




羽化待ちの君

博物館リュボーフィ まるた曜子著

叔父と姪の恋愛物、成人向け。

 

というフレーズからイメージされる「禁断」「耽美」「秘密の愉悦」はありません。

 

主人公《橙(ともる)》は幼い頃「死」に類する体験を受け、しかしそれを忘れて育ちました。けれど小学6年生の夏、それを思い出す機会を得てしまいます。しかもそれは「死」だけでなく、「暴行未遂事件」でもありました。忘れてしまった橙の為に、優しさから家族も口を噤み、無かったことになっているそれ。独りで抱える秘密は重く、卒業間近まで苦しみ続けますが、彼女には逃げ場がありました。そこは家から徒歩圏にある、1年のほとんどを海外で過ごす昆虫写真家兼ライターの叔父《要(かなめ)》の部屋。母が時折換気や掃除で訪れるだけのその部屋は、橙がひとりで過ごすのに最適な《巣》でした。

そして部屋の主である叔父が帰ってきた春の日、橙は彼が事件を知らないことに気づきます。

 

《こどものまま潰されたくない。『おとな』になるんだ》

 

その決意を胸に、叔父の仕事を手伝い始める橙。母の代わりに部屋の掃除を引き受け偶に戻る彼の食事を用意し海外から送られてくるデータを精査して編集部に運び……甲斐甲斐しく叔父の世話を焼いていきます。とある『お願い』を引き換えに。

一方、記憶復元のきっかけになった同い年の少年との淡い恋愛。ひっそりと『おとな』を目指す橙の道行きは順風満帆かと思われました。

 

しかし。

 

 

【羽化待ちの君】は、しなやかにしたたかに『おとな』を目指す10代の少女の力強い成長物語。

そして続編【Beautiful Days~碧の日々~】は、橙が20~30代になってからのお話。作中で時間を行きつ戻りつ積み重ねる穏やかで平凡な暮らし、ゆっくりとを綴る日々。育む《生活》。

そのために切り捨てるもの。

彼女は目指した『おとな』になれたのでしょうか。そして橙と要、自分のためにしか翔べないふたりが見い出す最適解は。

 

2冊連作完結です。距離感恋愛をお楽しみくださいませ。

 

 

なお、zine展 in Beppu仕様として「BD(全年齢)」にR18拾遺集をセットしています。そのため「BD」もR18扱いになります。オススメは同時購入連続読了、のんびり拾遺集、の順です。が、まずは1冊目のみ、という購入もお気軽にどうぞ!(3冊バラじゃないのはアイテム登録都合です~よしなに)




鳥小説アンソロジー よりどりみどりに鳥

人生は緑色 小谷まあな・他 著

猫やら犬やらのアンソロジーがあるのならば、鳥アンソロジーがあって当然だと思うの。

だって、鳥ってすっごく可愛いから!

という、鳥好きの主催が自分のために企画したアンソロジー。

 

 

飛ぶ鳥、飛ばない鳥、歩く鳥、泳ぐ鳥。

野鳥に渡り鳥にコンパニオンバード。

SF、恋愛、ライトノベル。

鳥の魅力がよりどりみどり14作品ぎゅっと詰まった「お値段以上に、鳥」な一冊です。

ぜひ、お気に入りの1羽(話)を見つけてください!

 

 

また、憧れのベルベットPPを施しました。

独特の手触りも、お手にとってお楽しみください。

 

 

【参加者様&タイトル(敬称略、掲載順)】

天月翔子/マフィンの歌

鳥野りと/空にいちばん近い塔

ウッパ/遠い昔、鳥だった頃

巫夏希/翼の王国の守り神

真北理奈/君を欲すれば欲するほど、僕の心が紅黒に染まって崩れていくー白鳥と黒鳥の御伽噺ー

綾瀬ちかこ/鳥居さんちの文鳥さま

秋助/ヒヨコノクニ

ポーカー/野鳥市場

朝来みゆか/白い帽子と水平線

緑川かえで/百合のように白く

マスケッター/満潮に沈む島

小林青ヰ/ザクロ一粒

二村陽葉/バーズ・ワーズ

小高まあな/レン・アイ♥バード




裏町映写室架空映画上映会記録簿

おはなしの喫茶室 かくらこう著

裏町には映画館がありません。

タロとハナは不思議な映画を偏愛しています。

数十秒で終わる映画、八十年以上も上映される映画、未来の映画。

「いつか映画館を裏町につくりたい。でも、今すぐみんなに観せたい映画がある」

ふたりは町のいたる所で上映して回ります。

この本はふたりに共感した「おはなしの喫茶室」が、その活動記録をまとめたものです。

 

 

◇おはなしの喫茶室のなかのひとは、宮城県在住です。2011年、東北大震災。「生きること」をつきつけられました。いなくなってしまった沢山の見知らぬひとを感じました。「今生きている自分がしなきゃいけないことってなんだろう」と考えました。そして「生きることは挑戦することだ」と結論しました。それまで、言葉を編んだとしても、私は心臓がちいさくて、ごくごく近くにいるひとに見てもらうくらい。大したことのない自分にがっかりしそうで、怖くて力を試せませんでした。でも、「生きている限り、自分の力を試し、挑戦する」と決めて、2011年5月、twitterおはなし手帖@ohanasitechoとして、140文字以内の物語や詩をtweetし始めました。「力を試し挑戦する」ため、言葉を編み、絵を描き、本を手づくりするようになりました。そうしてみると、気に入ってくださる方がちらほらいてくれることがわかりました。もっと自由に本づくりをしようと、昨年はAdobeのllustratorをこつこつ勉強しました。その演習と遊びを兼ねて「おはなし手帖」でつぶやいた物語をもとに架空の映画ポスターをつくったことが「架空映画上映会記録簿」の始まりです。twitterの140文字を映画ポスターに起こし、解説文を書き、そして手づくりの本として仕立てました。力を試し、挑戦してきたことが全部詰まった本です。計22冊つくりました。執念がお客様へ伝わったのか、2017年5月に販売開始してから、イベントと通信販売でお求めいただき、7月時点で残り3冊となりました。在庫の多めにある印刷所を使用した本を出展するべきか迷いましたが、7月の九州豪雨を経て、これまでのいろんなものが詰まっているこの本に決めました。お手にとってご覧になっていただけたら幸いです。