イチオシのzine vol.2

作家自らに一押しの一冊を選んでいただきました!

お買い物のご参考にどうぞ^^


週刊コトノハ

比恋乃著

魔法があたりまえにある世界で発行されている週刊の新聞、というコンセプトで作成しました。第二弾になります。

メインの記事であるお姫様の生誕祭のようすからはじまり、古代呪文研究チームに関すること、呪文講習会の告知が表面に掲載されています。下部には広告欄も。ここを埋めるのが実はいちばん苦労するのですが、そのぶん楽しかったりもします。

書影を提出していない裏面には、読者投書欄やクッキングコーナーや連載小説、「ゆずります」「さがしています」が並びます。

A4サイズ裏表、たった一枚のzineですが、じっくり隅々まで読んでいただけたら嬉しいです。わら半紙にカラーインクで印刷してもらいますのでぜひ手触りも楽しんでください。



20th

虚影庵著

[オフセット印刷/A5版/228頁/専用ケース付/1000円]

[詳細情報URL] http://kyoeian.vis.ne.jp/20th

 

同人活動20周年に際して制作した自選掌編・短編集。

1994年~2013年の発表作から1年1作ずつセレクトし、年代の新しい順に収録しました。

作品ごとに異なるレイアウトをほどこした中身を黄金の表紙で包み、透明なブックケースに収めたお祭り仕様の一冊です。

収録作のジャンルは一般文芸からアホネタまで多岐に渡り、“ジャンル分類不能”“闇鍋”を謳う弊サークルの特長を体現した形になっています。

年代を遡っていくことで、ひとりの書き手の変わってゆく部分と変わらない部分を感じ取っていただけるのではないでしょうか。

なお、収録作の一部にインモラルな表現を含みます。あらかじめご了承下さい。



嘘の町を出ていく

おとといあさって らし著

 

嘘の都〈ペテンブルク〉で暮らす時計技師の青年ペトレは、ある日、時計塔のてっぺんで、生きているからくり人形・シアーシャと出会う。

ふたりはたがいに恋に落ちるが、ペトレは、だれにもいえない大きな秘密を抱えていた……

ほんとうと嘘、かなしさとやさしさが混ざりあうおとぎ話。

 

* * *

 

B5変形版 、約40ページの短篇です。

嘘が主題のお話なので赤い本にしました。 

 

嘘の都〈ペテンブルク〉を舞台に、時計技師の青年ぺトレと、からくり人形シアーシャの、奇妙な恋の顛末が描かれます。

恋といっても、ふつうの恋とはかなり趣が異なります。真面目そうだけど、なんだかあやしいところのある青年と、ある日とつぜん生命を持ってしまった機械の踊り子。ふたりの出会いは、魔法が隠したかなしい傷を白日のもとにさらし、やがて、〈ペテンブルク〉という舞台をひっくりかえすほどの大事件に発展します。

恋愛物のつもりで手にとっていただくと、ご期待に添えないかもしれません。ファンタジーというには雲をつかむようなお話で、おとぎ話というには、すこしせちがらい展開が待っているかもしれません。

それでも、結末には一握のやさしさを受け取っても らえるようにと、手さぐりをしながら書きました。

 

お手に取っていただけると幸いです。

 

 

だいたいB5(横本)、40頁くらい、300円



清く正しく忌まわしく、ゆけどもどれぬゾンビライフ

下町飲酒会駄文支部著

突如あいつらは現れた

 

ゾンビなのだ、と教えてくれた桃ちゃんは

噛まれてゾンビになってしまった

ほかに生存者はおらず

百香はゾンビの桃ちゃんと図書館で暮らす

 

拘束した桃ちゃんに話しかける日々のなか

ひさしぶりに出会ったふたりの生存者

おとなと子供、図書館を訪れた瀬尾と李は

孤独だった百香に様々なことを教えてくれて……。

 

 

主人公の百香はふつうの高校生で、ふつうに学校に通い、友達と学校帰りのおやつを楽しみにしているような女の子。

ただひとより本が好きで、図書館が好きだった。

だから百香は、突如ゾンビが現れて逃げ惑うことになったときに、図書館に立てこもることを選んでいた――。

 

ゾンビが現れた後、ひとまず避難した百香たちを軸としています。

それぞれの目線での、これまでとおなじ景色なのに荒涼としていく世界、そして変化のお話です。

 

文庫サイズ108ページ、価格500円

goo.gl/MZ4EB4 こちらにて冒頭の試し読みができます。



つくるこわれる

言葉の工房 添嶋譲著

 

久しぶりの写真詩集です。

ここのところ、なんとなく頭のなかにある漠然とした不安、恐怖、諦め。一件関係なさそうな写真と組み合わせるとなにかしらの意味を持ちそうな気がします。なんだか不安定な世の中だしね。落書きでも見るみたいにささっと見てもらえたら。フルカラー30ページ。



ファミレスモーニング

Rigjt_blue  月島あやの著

時は西暦2030年を過ぎたある夏。

養育家庭で育った奏は図書館司書をしながら植木職人の春樹と小さな民家でひっそり暮らしていました。

同性婚が当たり前に認められた2030年。

奏はふと、春樹との子供が欲しいと願ってしまいます。

そんな中突然やってきた少年、美晴。

 

晩夏に叶うゆるく小さな幸せは、昔々の悲しみや終わる切なさと混ざり合い、どんなおしまいを迎えるかは是非読んでいただけたらと思います。

 

戦うオンナノコを全力で描く当サークルがzine展inBeppuに送りします新作漫画「ファミレスモーニング」は、初のゆるいBLです。

キスもハグもありませんが、男性だけだからできる小さな幸せの積み重ねを描きました。

 

今作のアリス…有栖田美晴は前回の「終末ごはんは君と、2人で。」の天王寺ありすとは異なり、なんとなく影のあるからっぽの少年です。

当サークルがzine展inBeppuで出す本には個性の強い「アリス」が出てきます。今年の「アリス」も静かにけれど着実に別府を駆け回ります。皆さんの手でつかまえてください。

前回の「終末ごはんは君と、2人で。」も再販があります。



しろたえの島、いつくしの嶺 一~六 帙付き

鹿紙路著

[概要]小説 文庫サイズ 布張和綴じ 全六巻(約9万字) 二方帙(ブックケース)付き 4600円

 

[あらすじ]

「行け。行って、そなたの雪獅子に出逢え」――

翡翠色の内海に浮かぶ常春の島で、「織姫」としてたいせつに育てられてきた藤世(とよ)は、浜辺で白銀の短剣を拾う。その夜から夢路に現れるのは、白銀の髪の孤独な少女。彼女にこころをかき乱されて過ごすうちに、藤世の島を悲劇が襲う。

アジアン染織百合ファンタジー。

 

※画像は書影ではなくキャラクターのイメージイラストです。

※こちら https://kakuyomu.jp/works/1177354054881298254 で草稿を全文掲載中です。

※ツイッター上の感想まとめはこちらhttps://twitter.com/i/moments/870548579848409092

 

[イチオシポイント]

布が好きです。手製本を始めて二年以上経ちました。その間作った本は約300冊。自室は材料と道具があふれて、基本執筆・製本・イベント参加のために生きている感じのひとになりました。紙表紙のものもよいですが、手でつくる醍醐味は布を扱えること・布でものを作れることだと思います。この作品はリサイクル着物屋さん・生地屋さんの実店舗や通販サイトを回って、こつこつ集めた布で作っています。同じ生地ばかりだとこころが折れるので、きまぐれに布を変えています。口絵代わりに型染めや友禅の和紙も使っています。アジア風の世界が舞台ですので、日本の伝統的なものを使いたいと思い、こういう装丁にしているのですが、一番のいいところは材料を集めたりつくっている最中がとても楽しいということですね。

 

きらびやかであったり素朴であったり、はっとするほどおしゃれだったり、かわいかったり、布や紙のいいところはさまざまですが、このお話の主人公・藤世もその魅力に取り付かれた人間です。舞台は、文字の代わりに、布に織り込まれた紋様が記録として残される世界です。少女たちの恋や憎しみ、出会いと別れ、あたたかさと切なさ。そんなものを感じられる作品だと思っています。ぜひ会場でお手に取ってみてください。



くらげのあしあと

古月玲著

 

水族館を出ても海の匂いがした。

この海にも、くらげはいるのかな。

少し海岸の近くへ行って、背伸びをして、海を見てみるけれど、くらげは見えない。

アキも海の方を見てる。アキの目はいつもどこか遠くを見てる。

ぼくはアキが見ているものを知りたかったけれど、ぼくにはアキが海のそばにいるのか海の中にいるのかさえわからない。

 

 

ふわふわとした、少年たちの会話三つからなるお話。

「くらげのあしあと」

――ぼくたちの足跡だって、きっと残らないよ。

 

 

 

 雑多にささやかなお話を書いています。

 ひとりであること、

 誰かに手を伸ばしてみること、

 その手を取るということ、

 そういうことを考えている気がします。

 

 今回の一押しは『くらげのあしあと』、新刊です。

 表題作ともう1編、計2編の短編小説を収録しています。

 (文庫(A6)サイズ・カバー付|88頁|500円)

 

 これらの物語が、いつかの誰かに触れたら幸いです。

 

 

 

その町は海の底にあった。

海底の町で一人暮らす青年と、そこへやってきた同い年の青年のお話。

「鯨のあとに」

 

 

カーは、ひとりでいることを選んでいるんだ。

世界で自分はひとりって顔をして。

これは悲しみだろうか怒りだろうか同情だろうか。どれとも似ているようで、どれとも違う。わっとせり上がってきた感情のまま手を伸ばしそうになって、すんでのところで思い留まる。

もしも手を伸ばしたら、もしも触れたら、……どうなるだろう?



50:50 fifty-fifty

眠る樹海堂 土佐岡マキ著

 

どうせ、いつもの悪ふざけだ

――そう思っていた。

 

 探偵業をつとめる雷火は、仕事仲間の腐れ縁・聡真の罠にまんまと嵌まり、命懸けのゲームをすることになる。常のとおり飄々とした態度でゲームを進行する聡真と、目的が読めないままそれに付き合う雷火。言葉の表と裏を見切り、無事に勝利を掴めるか。

 

ミステリ/文庫判80ページ/400円

 

 

 私が書く物語には大抵、嘘つきな人物が混じっています。

 そして面倒なことに、証拠を突きつけないと中々尻尾を出しません。

 彼らが嘘をつく理由は様々です。楽しむため、誤魔化すため、傷つけるため、守るため……。何故そうする必要があったのか、どんな気持ちで嘘をついたのか、動機や心情を追えば、見えてくるものがあるかもしれません。

 本作に出てくる青年・聡真も、言葉の端々に嘘を混ぜてきます。どこまで信じて、どこから疑えばいいでしょう? 手がかりを拾い集めて、主人公の雷火と一緒に考えてみてください。

 物語を創る私自身も嘘をつきますから、どうか騙されませんよう。



月アンソロジー『夜夢月闇』

ロザリアは笑う 真北理奈著

月をテーマにしたアンソロジーが今回初の委託物となります。

フルカラーカバーは自分で撮った日暮れの写真を元に夜空と月を幻想的に組み合わせたもの、表紙は紫陽花に夜空を被せたもので幻想的に仕立てました。

中身も美しく可愛らしく静かなお話が多く、幻想的で切なく暖かいイラストで見応えがあると思います。

月をモチーフにした日常のワンシーン、人魚姫と同じ運命を辿る悲しい恋物語、魔女と紡ぐ可愛いお話に、優しい恋の話、運命に翻弄される三人の絆、夜のひとときを過ごすふたりなど、ゆったりした気持ちでご覧頂けるかと思います。その他にも四国を布教したお話や水をテーマにしたお話など、ゆったりしたお話を揃えていますのでよろしければご覧下さい。

貴方の傍らに置いて頂けるものとなりますように。



戦場の風使い

こんぺき出版 feat.あまぶん にゃんしー著

戦争の話が書きたいとずっと思っていた。

教訓的でもなく、示唆的でもなく、

ただ起こったことをそのままに本当の戦争の話が書きたいと思っていた。

ティム・オブライエン著「本当の戦争の話をしよう(原題:「The Things They Carried」)」

に訳者の村上春樹が寄せた後書きを読んだとき、その気持ちが爆発した。

小説を書くべき風が吹いたと思った。

小説を書き始めるタイミングには、必ずその風が聴こえる。

村上春樹が云うところの「風の歌を聴け」なのかもしれない。

彼のように鮮烈なデビューが出来ればよかったのだけれど、

投稿した文藝賞の成果は一次通過止まりで終わってしまった。

しかしとにかく、一次は通過した。小さな自信になった。

 

「戦場の風使い」は、主人公が漂流した島で

7人の敵国の女の子と交流する小説である。

敵国であるから、言葉は通じない。

敵国の女の子が唯一覚えた言葉は「ごめんなさい」というものだった。

それ以外、この小説には会話文が全く出てこない。

しかし、お互いに理解しあうプロセスはある。

多分に誤解を含むかもしれない。

だから、この小説のラストがハッピーエンドであるとはいえない。

バッドエンドでもない。

戦争はそんなふうには終わらない、そんな気がする。

 

7人の敵国の女の子の名前は、それぞれ

クエト・アリエッタ・カーショウ・シンダーガード・シャーザー・バムガーナー・バーランダー

という。

知る人しか知らないことだろうけど、

いずれもメジャーリーグベースボールを代表するエースピッチャーだ。

彼らのファミリーネームを借りた理由の1つは、その国がアメリカであるということ。

もう1つは、この小説を書き始めた当時、

広島東洋カープのエース前田健太がメジャーリーグベースボールに挑戦したからだった。

彼の、アメリカでの戦いを書きたかった。

それは戦争だろうか。じゃあ、戦争って何? 逆に、何が戦争ではない?

分からない。しかし少なくとも、分かろうとしている間は戦争は起こらない。

小説を読んでいる間は、戦争は起こらない。

だからこの小説は、誰にも分かられたくない。常にそんな問題作を書きたい。

 

「戦場の風使い」をzine展inBeppuで初売りできることを光栄に思います。